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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2004年3月のニュース一覧
▼[2004.03.30]いま自覚すべきこと
▼[2004.03.28]彼女とコピー
▼[2004.03.26]100年後への思い
▼[2004.03.24]攻撃の理由と意味
▼[2004.03.22]無線LAN閉鎖のワケ
▼[2004.03.20]ロードマップの,一過程
▼[2004.03.18]みせられない?パソコン
▼[2004.03.16]ココロのトケイ
▼[2004.03.14]本当の,悪たるもの
▼[2004.03.12]あのときの星空
▼[2004.03.10]破壊の原因
▼[2004.03.08]スパムの処し方
▼[2004.03.06]メモリーズトラック
▼[2004.03.04]次の検索結果の国
▼[2004.03.02]ひとつ目,の教訓

■2004年04月のニュース一覧
■2004年02月のニュース一覧


 
[2004.03.30]
  いま自覚すべきこと


 ▼京都府警の捜査情報、ネットに流出 共有ソフトで漏えいか(Sankei Web)
  http://www.sankei.co.jp/news/040329/sha058.htm


 まぁきっと,ほかのWinnyを使っている警察勤務者たちは,たったひとりヘマをやらかしたせいであしたからWinnyができなくなるぢゃないかよ! と怒ってると思うけどね。

quote:京都府警は,ひったくり事件の被害者ら11人分の個人情報を含む捜査関係記録がネットに流出したと発表した。流出したのは交番勤務の警官が,個人用パソコンに保存していた指名手配書など。winnyを使ってウイルスに感染し,流出した可能性がある。流出した情報の回収,削除の目処は立っていないと,府警幹部らは歯切れの悪いコメントを繰り返している。

 いろんな秘匿すべき情報流出が相次いでいるが,そのなかでも最悪のものだろう。ひと言いうと,大爆笑。はっきりと説明されていない部分も多いので憶測も含むが,ほぼ,交番勤務の巡査が自分のパソコンでWinnyを使用,キンタマウイルス(過去記事)に感染,そのパソコンに置いてあった仕事の書類などが流出,という流れで間違いない。流出した捜査記録がダウンロードされた量である「被参照量」はほかと比べて断トツ増えており(pic),この世から消すなんてほぼ不可能。

 なぜ大爆笑かと云うと,ただ単にいつもネットワークへの攻撃的な発言を繰り返してきた京都府警だから,なだけだ。京都府警にしても,先日個人情報を自らばらまいたACCSにしても,ほんとになんの自覚もない。京都府警もACCSも信頼に値しない組織であるということを,わたしたちはもう一度きちんと認識するべきだろう。「ファイル交換ネットワークに参加すること自体,摘発につながる」(ITmedia LifeStyleの記事)と述べているACCSは,きちんとこの巡査を摘発するべきだし,京都府警はこのような事態を招いて回避策をなにも提示できないということは,Winnyについてなんの誇れるような知識も持っておらず,「われわれはWinnyを解き明かした」(Impress INTERNET Watchの記事)などと述べていたのは,ただのはったり,口からでまかせ,ただの嘘だったことが証明されたと云いきれる。ACCSも警察も信じるに値しない。いまの社会を生きるには,まずそれを,わたしたち全員が自覚するべきなのだ。




 
[2004.03.28]
  彼女とコピー


 ▼If consumers want to copy games, let them(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/content/54/36549.html


 コピーを本物だと思うなんて,そんなことをしたら,きっと彼女は怒るだろう。でも彼女のコピーを愛さないなんてできない。だから,ボクはコピーをコピーとして愛する。それが,いちばん誠実であると思う。

quote:ある調査では,2122人のうち15%が過去半年にゲームをコピーしたと認めた。バックアップを取るためや複数のコンピュータで同じゲームをするため,友人とゲームを共有するためなどに使われている。それに対し,ネットを使って認証をし,別のコンピュータで実行されたときには制限のあるデモ・モードして動作するプロテクトを開発している企業がある。

 ボクが彼女をコピーしたことに,彼女はなにも云わなかった。いまの時代なら人のコピーを作ることはそんなたいそうなことではなく,やり方も簡単だ。本人の許可さえ取れれば,すぐにできる。最初は,いろんな人から反発の声もあった。まったく同じ人間がふたりいることになり,場合によっては犯罪に使われることもある。人間の尊厳がどぉとかこぉとか云う人も多かった。が,人は欲望には正直なものだ。知らない誰かと浮気されるぐらいなら,自分のコピーで気持ちを充たしてくれてた方がいいと云う人が大勢を占めた。自分が休みだって,その日に彼女が休みだとは限らない。時間の都合のつかないふたりにとって,コピーはそんなに変なことではない。コピーは単独では成り立たない。彼女がいて,彼女が認めたから,コピーがいる。それ以上の存在にはなりえない。

 音楽CDやDVDビデオをコピーする人とそれらの売り手が激しい言い争いをしていたのは,もう遠い昔だ。いま思い返すと,愚かな言い争いをしていたものだ。実際にコピーしていた人は気づいてたが,実際のところ,コピーで同じものができるということはない。コピーはどうしたってコピーでしかなく,コピーとしての価値しかない。本物なんかぢゃなくてもいいと云う人もいる。コピーで十分だと云う人だ。そこそこ見た目はかわいいボクの彼女のコピーなら,それで満足する人もいるだろう。それも,ありだと思う。けれど,ボクはコピーだけだったらやるせなく思う。本物がいないのに,そのコピーがあっても,意味はない。それは,良心などではなく,ただの欲求だ。その欲求を掘り出せるかどうかが音楽CDやDVDビデオにも最終的に求められ,それを掘り出せないならそんなものを作るのをやめればいいという結論に至った。それで成り立たない産業など,すぐに潰れる。どうせ潰れるのなら,いま潰した方がいい。それが,多くの人の結論であり,彼女のコピーを愛せる,いまのボクの結論でもある。




 
[2004.03.26]
  100年後への思い


 ▼100年間ドメイン名を維持します」米Network Solutionsが新サービス(Impress INTERNET Watch)
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/03/25/2551.html


 誰かにみて欲しいってわけぢゃない。ただ,そこに残っていれば,それでいい。

quote:米国大手のドメイン登録申請組織,ネットワーク・ソリューションズは,100年間ドメイン名を管理し,効力が失われないように保証するサービスを開始した。料金は100年分で999ドル,途中での返金はされない。

 そんなこたぇ知ったこっちゃねぇと云われると思うんだけど,ここのサイトのドメインは,わたしが好きなキャラクタの名前です。別にそのキャラクタの紹介をしているわけでもなくて,どこにも全然出てこないので迷惑だと思っている人もいるかもしれないのですが,わたしはただ好きなだけなので気に入ってます。そのうち飽きるかなと思ったけど,そんなことは思ったことないなぁ。そんなだから,この100年ドメインはちょっと魅力的。

 地球が1回回転して1日,10日で10回,1年365回,10年3650回,100年で3万6500回。約30万回弱回転すると,人はおおむね死ぬというのは,なにか因果律があるのだろうか。ほとんどの人は100年後を体験することなく死ぬ。でもその後も,たぶん世界は変わらずにあるし,ネットワークも存在する。そのときまで,自分が好きだったということを証すドメインが残っているなんて,ステキなことかもしれない。他人にとっちゃあバカバカしいかもしれないけど,別に構わない。サーバーレンタルと組み合わせて,100年後までずっとそのドメインでウェブページを残しておくよってサービスがあると,意外と人気になるかもね。




 
[2004.03.24]
  攻撃の理由と意味


 ▼RIAAのウェブサイトが5日間にわたりダウン--MyDoom亜種の仕業か(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/news/sec/story/0,2000050480,20065017,00.htm


 小学校のいじめとは違う。なにか,理由がある。その理由を考えられる団体・組織・会社なら,まだ生きていくことができる。まぁ,おおむね考えられる頭がないから,攻撃を受けているんだけどね。へへ。

quote:全米レコード協会(RIAA)のサイトが5日間にわたってアクセス不能となっている。昨年7月にDDos攻撃で4日間停止したが,今回はそれよりも長くなっている。この被害はマイドゥームというウイルスの亜種によるもので,先月から拡散し,3月17〜22日にマイクロソフトとRIAAのサイトを攻撃するように設定されていた。

 このウイルスでRIAAを攻撃してしまっている人も,先日のキンタマウイルスで自分のデスクトップをさらしてしまっている人も同じで,いつまで経ってもなにも考えずにウイルスを発動させる人はたえない。もうそろそろいなくなってもよさそうなものなのに,いつまで経ってもいる。笑ったりあきれたりし続けているんだけど,たぶんそれが終わる日は来ないんだろう。いつまで経っても,メールの添付ファイルやnyで落としたファイルをダブルクリックする人間はいるんだと思える。ということは。

 たとえば,あんちくしょうをぶちのめしてやりたいなんて考える人がいたとしたとき,ネットワーク上では自分が刃物を持って相手の目の前に行く必要はない。自分ぢゃなくてもいい。記事でRIAAが被害に遭っているのと同じように,誰かに攻撃させることもできる。もちろん代わりに攻撃してくれるのは↑のウイルスを発動させてくれる人だ。なんの悪意もないその人たちが,代わりに攻撃してくれる。ウイルスを放流した人間は,そりゃ人の道から外れているだろうけど,なかなか探して突き止められるものではない。ウイルスのコミュニティにいるとすぐにわかることもあるけど,最近は特に慎重になってなにも話さないウイルス作者も多い。でも,犯人が誰かはわからないけど,なぜそんなことをしたのかはみんなわかっている。そして,みんながそれに同意して,誰もRIAAの被害に一切同情してはいない。これからもいろんなところで同じような攻撃が増えるが,そのときに人々が味方をしてくれるか,そのためにいまなにをすべきか,社会的な団体や組織,会社は,もう一度考えておいた方がよいだろう。抹殺するのは,簡単だよ。日本の,存在価値のない団体とかもね。




 
[2004.03.22]
  無線LAN閉鎖のワケ


 ▼無線LANのタダ乗りとモラルのジレンマ(ITmedia News)
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0402/12/news099.html


 別に自分のネットワークを開放して,失うものなんてない。そのネットワークに接続する自分のパソコンは,ファイル共有もなにもしてないしね。でもなぜ,閉鎖しているかというと。

quote:ニューヨークタイムズ紙に,「自分のノートPCが隣人の無線LANネットワークにアクセスでき,メールをチェックした。自分のやってることは間違っているか」と尋ねるコラムが掲載された。紙面では,ただ乗りしている隣人がわかるなら打ち明けるように,できないのならやり過ぎないようにただ乗りするようにと助言していた。

 私事だが,自宅で802.11b/g(エアポート)を使っているんだけど,自分の自宅内のベースステーションのネットワーク名と違うネットワーク名が表示される。で,接続するとつながる。自宅のネットワークにはWEPによるセキュリティをかけているけど,たぶん近所の人のそのネットワークは完全に開放されている。なので自由に使おうと思えば使える。記事にある読者女性と同じ状態だ。マックOS Xでは特定のネットワークに接続するように設定することができるので,自宅のネットワークを指定してよそのネットワークには接続しないようにしているけど,OSインストール直後などに勝手に接続していたりして,確認するとそのよそのネットワークの方だったりする(そっちの方が電波が強いからかな?)。

 なんでそんなによそのネットワークを使用することを心配するのかと云うと,わたしはネットワーク内に流れる情報を記録する方法を知っている。どんなURLのウェブをみているか,どんなサーバーにアクセスしているか,そのサーバーのIDとパスワードはなにか,知ろうと思えばわかるだろう。だから,わたしがこの読者女性に答えるとすれば,メールの内容や,メールサーバーにアクセスする方法を他人に知られる可能性がほんのわずかだけどある,それでもいいのならただ乗りすればよい,と云う。そしてわたしが自宅のネットワークをWEPで保護しているのも,別にスニッフィングなんて面倒でしないけれども,誰かに情報を盗まれているかもしれないという疑いを持たれたくない,というそれだけの理由だ。ネットワークの管理者が身近にいる知っている人ならそんなことされないと信頼できるかもしれないけど,どこの誰が管理しているかわからないネットワークでは,こわい。無線LANただ乗りはモラルの問題ではない,と思うのだけど,どぉかな。




 
[2004.03.20]
  ロードマップの,一過程


 ▼Movable Type公式日本語版が登場へ Six Apartが日本法人設立(ITmedia News)
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0403/18/news039.html


 ネットワーク上の情報量が,いま世界にいるすべての人の脳内にある情報量を超え,いままで地球上に存在していた人たちすべての脳内の情報量をも超え,もうなにものも管理できないほど,どうしようもないくらいに増えて,ずっとその増加が無限に続く。それが,ロードマップ。

quote:ウェブログツールのムーバブル・タイプを開発するシックス・アパート社は,100%出資の日本法人を設立し,ムーバブル・タイプの日本語化を進める。いままでムーバブル・タイプは,有志が作成したパッチで日本語化されていた。

 自分のブラウザには,おもしろいかもと思ったページをやみくもにためていくブックマークのフォルダがあるんだけど,昨今ウェブログが多いなぁと思っている。半分ぐらいはウェブログかも。ウェブログサービスを提供しているプロバイダーやサイトも多いし,たぶんこれからもっと増えるんだろう。

 わたし個人の意見はそんなにほかの人と変わらないと思うけど,ウェブログの興隆はよいことだと思う。もともと,HTMLでウェブサイトを作っている人も,2ちゃんねるなどに書き込みをする人も,ウェブログを公開する人も,たいした違いはない。わたしにとって「改定新版HTMLポケットリファレンス」とかの本だったのが,ウェブログツールになっただけ。そして,個人個人には情報を公開する意義や意見があるのかもしれないけど,全体からみれば,ただみな,ネットワーク上の情報を増やしているだけだ。もっともっと情報を増やす,ウェブログはそのための道具に過ぎない。ウェブログであれ,2ちゃんねるなどの掲示板であれ,ファイル共有ツールであれ,すべて根底は一緒で大差ない。どれがよくもどれが悪くもない。ただ,それだけだ(ウェブログはアンテナで簡単に補足できるとうれしいことよ(^^ゞ)。




 
[2004.03.18]
  みせられない?パソコン


 ▼Winnyで感染を広げる新種ウイルス出現,パソコン中のファイルを盗まれる恐れあり(Nikkei IT Pro)
  http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20040317/141562/


 どこまで,みせられる? どこからは,みせられない?

quote:Winnyで感染を広げる新種ウイルスが流行している。この新種ウイルスには変種が複数存在するようで,今後さらに変種が増える可能性は高い。現時点では最新のウイルス定義ファイルをインストールしていても,検出できない可能性も高い。少しでも怪しいファイルは決して開いてはいけない。

 失礼で不謹慎を承知で云うけど,面白い。これは笑える。勝手にデスクトップの画面キャプチャを撮って,Winnyで放流,またはデスクトップにあるファイルをまとめてZIP,LZH圧縮して放流するらしい。Winnyで「キンタマ」で検索するとすぐに200以上のファイルがヒットする(pic)。すぐに偽造(ウイルスに引っ掛かって放流されたとみせかけて意図的に放流しているファイル)だとわかるユーザーネームもあるように,どれぐらいがウイルスによるものかはわかんない。けど,まぁこんだけ流れてれば十分か。

 100%プライベートのパソコンで,デスクトップやパソコン内にあるファイルを誰かに勝手にみられるのはやっぱり困るという人は多いと思う。わたしも勘弁して欲しい(^^ゞ。別にみられたって開き直ればいいかと思うものがいっぱいあるんだけど,しなくていい面倒はしたかない。心のすべてを相手にみせてしまったら,きっとうまくいくことはないように,パソコンのなかもおんなじなのかもしれない。だからこそ,このウイルスは激しく愉快だ。




 
[2004.03.16]
  ココロのトケイ


 ▼日本標準時:誤差1億分の1秒に ネット社会に対応へ(Mainichi INTERACTIVE)
  http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200403/13/20040313k0000e040054000c.html


 いちばん大切な時刻は,ココロのなかで動いている。

quote:日本標準時を定めている通信総合研究所は,来春にも標準時の誤差を現在の半分以下の,1億分の1秒にする。ネットを利用した電子取引・決済が普及するなかで,ネット社会の基盤強化を図ることを狙っている。

 正確な時刻は,NTPサーバーにもセシウム原子時計にも実はない。正確な時刻は,地球だけが知っている。地球は,秒速11kmでぎゅんぎゅん回転して,24時間で1回転する。それが1日。本当は1日は24時間ではなく,23時間56分4秒ぐらい。だから4年に1回,うるう年できちんと合わせて,問題なくわたしたちは過ごしている。だが,だ。1日はだんだんと延びている。月と引き合う力の関係で,月はどんどん地球から離れ,それに合わせて地球では,1日が1年に0.000015秒ずつ長くなっている,と云われる。となると,57億6000万年後には太陽がのぼって次の日の太陽が昇るまでに,いまの48時間,つまりいまの2日かかる,のかな? とにかく,そんな感じで「正確な時刻」というのはこの世には存在しえないのかもしれない。でも,信じられる時計はある。

 彼女の腕時計が10分ぐらい遅れているのは知っていた。だから,待ち合わせの時刻が過ぎても気にならなかった。10分遅れで来たらちょうどの時間に来てくれたことになる。でも。10分が過ぎた。まだ来ない。それでも,そんなに気にはならなかった。彼女の腕時計が10分遅れているということは,約束の時間より早く来てしまうボクでも,約束の時間より10分遅く来てもいいということだ。いつも10分前に来ているから,合わせて20分得していることになる。だから,20分の遅れは全然問題ない。…結局彼女は15分遅れで来た。うれしい気分にさせる笑顔をみせながら,彼女は云った。「早いなぁ,わたしも待ち合わせの時刻より早く来たのに」。ん? 早く? 変だなと思って彼女の腕時計をちらっと見て街頭の時計と見比べると,やっぱり10分遅れている。?? そのとき彼女はボクの腕をつかんでボクの腕時計をのぞき込み,街頭の時計と見比べて云った。「あ〜,10分も早くなってるよっ。もぉ,いい加減なんだから」。




 
[2004.03.14]
  本当の,悪たるもの


 ▼「愛しのGoogle」を大いに語る(ITmedia News)
  http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0403/12/news028.html


 歌詞を勝手にウェブや書籍に載せること,曲をネットラジオで放送することは,現在の著作権には違反するらしい。だが,それらの行為は罪でも悪でもない。世界は,著作権のためにあるのではない。歌詞や曲にとっては,ただ,その作品を受け取る人のためにあるのだ。

quote:わたしはわけあって昔のCMの曲を探していたが,グーグルで検索して歌詞が掲載されたウェブをみつけ,答えにたどり着いた。10年前はこの手の調べものをするのに,何時間も電話をかけていたものだ。グーグルは自分の知らないことを探すのにもっとも役に立つツールで,ほとんどのグーグルユーザーも同じ意見だと思う。

 日本の曲でも,おおむねグーグルで歌詞の一部を検索して,その曲がなんという曲か,歌っていたのが誰かがわかり,その情報からまだCDが手に入るか探し求めることができる。そのとき歌詞を掲載しているサイトのほとんどは,個人の趣味のサイトである。そして,それに対して著作権法違反であると警告を行い,たくさんのサイトを潰してきた団体が日本にはある。日本では発売された曲は,いつまで経っても人々が自由に利用することはできない。書籍のなかでちょっとだけ歌詞を使うこともできないし,インターネットラジオなんてとんでもない,と云う。結果,ネットラジオにおいては世界で日本は断トツで遅れている国になっている。ほかの国の人間が,不思議に思うほどに。

 CCCDはいやだ,でも著作権は守らなければいけない,などと云っている人間がいる。そんな人間は全員,ではどうすれば誰もが満足できるんですか? CCCDに代わる代案はなんですか? と云う問いに答えられない。ガキのわがままと一緒だ。反対する理由はひとつしかない。音質が悪くなるとか音楽業界は儲け過ぎだとかは,実際はどうでもいい理由である。そのひとつしかない理由とは,「著作権? あんなものは守る必要も従う必要もないよ。だって,あれはほんの,とてつもなくほんの極々わずかな人間のためにしか存在してないんだから」ということだ。著作権などなくても,世界は成り立つ。わたしたちは,いまの法ではなく,将来のことを考えて行動すればよい。だから,ネット上で流してはいけないファイルも,情報も,存在しない,ひとつも。




 
[2004.03.12]
  あのときの星空


 ▼ハッブル宇宙望遠鏡、「ビッグバンから数億年後」の宇宙の姿をとらえる(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20040311305.html


 「そのときの思い,そのときの感情,そのときの慈しみ。思い出すべき,なにかがあります」。

quote:宇宙望遠鏡科学研究所が,ハッブル宇宙望遠鏡のとらえた超深宇宙の画像を発表した。この画像はビッグバンから4〜8億年後の銀河の姿を初めてとらえたもので,われわれの宇宙の歴史を数億年もさかのぼっている。(拡大画像

 「この銀河の写真は,宇宙の果ての果ての写真です。ということはつまり,宇宙の始まりの始まりのときの風景ということになります」「宇宙の始まりのビッグバンから,4〜8億年と云ってますね」「そうです。つまりこの宇宙の果ての光景というのは,宇宙の始まりのときにはわたしたちのすぐ近くにあったわけです。見上げると,この星空があった」「ぃゃ宇宙が誕生したのって150憶年とかそんな前でしょう。そのときに見上げたらとか云われても」「いまこの写真をみると,そのときになにを考えていたか,思い出せたりはしませんか?」「??」。

 「年を取るごとに1年が早く感じるのは,全体に占める1年の割合が小さくなるからと云われます。つまり5歳の人にとって1年は1/5ですが,20歳の人には1/20になってしまう」「なんか違う話になってませんか?」「いえ,ということは,宇宙が広がれば広がるほど,人間の思考の範囲も狭まっていくと考えられます。人間は進化しているようにみえて,実はどんどん小さな存在へとなっている。これは止めようがない」「そう,なんですかね?」「でも,宇宙の始まりのときの風景をみることができれば,まだ大きい思考を持っていたときのことを思い出せる」「…それが,宇宙を求める理由だと云うことですか?」「よくわかりましたね。人はまだ,あのときの星空を忘れてしまってはいけないんですよ」。




 
[2004.03.10]
  破壊の原因


 ▼Online piracy 'devastates' music(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/technology/3532891.stm


 音楽販売が回復するのはいつだろう? 回復する起爆剤はなんだろう? 考えてみて欲しい。私的意見を云わせてもらえれば,それは,いまの音楽産業がなくなること以外に,ない。

quote:RIAAのケアリー・シャーマンは,米国の音楽販売は1999年から2002年の3年で31%ダウンし,オンラインの著作権侵害によって「破壊された」と述べた。RIAAは音楽ダウンロードサービスを促進し,著作権侵害者に対する法的な処置によって反撃している。しかし,著作権侵害のおそれがあるにもかかわらず,アナリストは音楽産業の将来は,オンラインのダウンロード販売にあると信じている。

 では,もしこの世にインターネットなどのネットワークが存在しなかったとしたら,音楽販売は数年前とまったく同じレベルをたどっているだろうか? 1/3の減少という状況にはおちいっていないだろうか? 日本では1998年から2001年でCDの生産額は17%減少したという。コピープロテクトCDが発売された2002年にはもっと落ちているだろうが,まぁ2割減でとどまっている日本は,まだお気楽なもんだ。音楽を考えなしで買ってくれる消費者に感謝すべきだろう。CCCDとやらで売り上げが回復したのなら,ほめてCCCDの価値を認めてあげるけどね,それでさらに売り上げを下げているんなら同情する必要などない。

 何度も云っていることだが,著作権など必要ない。だいたい,数年前に作った曲でいまの食いぶちを稼ごうなど,乞食の考えだ。JASRACのような,乞食の尻拭いをする組織があるから産業は廃れるしかない。もうすでに,音楽業界に携わっているような人は,軽蔑の対象だ。鼻で笑われ,人間のクズと呼ばれる人である。もし身近に音楽業界に入ろうという人がいるなら,真面目に止めた方がよいと思う。そんなことないと云うのなら,音楽業界の人間は自分の行動を真摯にみつめてみることだな。まぁ,しないと思うけど(ぃゃ,しないんぢゃなくできないだけか)。




 
[2004.03.08]
  スパムの処し方


 ▼Spam is 10(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/content/6/36062.html


 きょうはスパムを食べました。

quote:3月5日で,初めてのスパム・メッセージが送られて10年目となった。1994年の3月5日に,米国の法律事務所がニュースグループに投稿したメッセージが,世界で最初のスパムだ。そのあとも続いたスパムは,ニュースグループの有用性を破壊し,次に電子メールに向かった。統計によると,先月ネット上に流れた電子メールのうち,62%はスパムだった。

 そういえばずいぶん前に,日本でスパムを防止するための法律がなんかあったような気がするなぁと思い出した。さっぱりおぼえてないんだけど,Subjectの先頭に「未承諾広告※」とつけるとかなんとか(おぼえてないので間違っているかも)。自分のメールソフトの「迷惑メール」フォルダをみると(pic),なんとなくそんなのを付けているものもあるけど,カッコでくくったり,※を*にしたり,スペースを入れたり,プロバイダなどのスパムフィルタをかいくぐるために,つまんないことをいろいろとしているようだ。まぁわたしの場合は,アップルのメールソフトのスパムフィルタがかなりよい感じなので,差出人もSubjectもみることなく,迷惑メールフォルダにたまっていくだけなのだが(ウイルスメールも全部スパム扱い)。

 そもそも,そんな法律が少しも役に立たないなんて最初からわかっていたこと。カッコや*やスペースでスパムを出す人間を問いただして,すみませんフィルターをくぐり抜けるためにやりましたと云うことなんてないんだから,罪の問いようがない。韓国のように,夜9時から朝8時までの間に携帯向けスパムを送った場合はすべて罰金の対象,昼間も基本的には同意を得た人にしか送ってはいけない(Mainichi INTERACTIVEの記事),とした方が効果があるだろう(韓国ではパソコン向けのスパムにも同様の措置と,いまより3倍高い300万円以下の罰金を検討しているという)。まぁスパムがなくなる日がくるとは思ってないけど,まったく無駄な対策をしているのは,いい物笑いの種なんだな。




 
[2004.03.06]
  メモリーズトラック


 ▼Rio Japan、オーディオプレーヤー「Karma」、「Chiba」を値下げ(Impress AV Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040302/rio1.htm


 まだ,マックOS 8.5か9ぐらいだったんだろうか。添付ソフトとしてついてきたサウンドジャムMPを使ってMP3を転送していたが,ソフトも英語版だし,リオでは日本語表記ができなかった。まぁ日本語化パッチを作成しているユーザーがいて,ありがたく使っていた(あった,これだ。インターネットアーカイブのページ)。

quote:リオ・ジャパン社は,ハードディスクオーディオプレイヤー「リオ・カルマ」とFMチューナー内蔵シリコンオーディオプレイヤー「リオ・チイバ」を値下げする。リオ・カルマはEthernet接続し,20GBのハードディスクを備える。

 リオと聴くだけで,なんとなくうれしくなる。というのはちょっと大げさかな。自分の過去記事を漁ると思い出すが,5年ほど前にリオ500という当時の青白のパワーマックG3と似たブルースケルトンの筐体のMP3プレイヤーを購入して使っていた。その後,リオ600,リオ800と使い続けてそのあとでiPodが出てそちらに移行。リオ500は64MBの容量しかなかったけど,それで十分と思えていた。とにかく,たくさん使った記憶があり,記憶に焼き付いている。

 あのとき聴いていた音楽はなんだったろう? と思い返していると,ああそういえばリオ500と乾電池の山を持って(リオ500は単3乾電池で動いていた)北海道に貧乏旅行に行ったっけなぁと思い出して,北海道の風景とともに曲が頭に流れていた。ああ,あの曲かと引き出しの奥の奥にあるそのCDを引っ張り出し,iTunesで再生させた。でも,目を閉じると手にはリオ500の感触が残っている。当時住んでいた街の風景や,当時隣にいた人がまぶたの裏に浮かんでいた。もしかしたら,いま,目を開けたら,あのときに戻っているかな,そんなことを思い,バカなことを考えているなと,ちょっとだけ笑った。




 
[2004.03.04]
  次の検索結果の国


 ▼個人のニーズに合わせた検索エンジン(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/TKY200403020226.html


 だがね,相手のことが全部わかってしまったら,相手の信用できない面まで全部わかってしまう。秘密にしたいことをどれだけ秘密にできるか,それが,親密な人間関係でも,ユーザーと検索エンジンとの間にも,重要なこととなる(referrer 「キノの旅」#1)。

quote:検索エンジンは,検索しているユーザーの心を読むことはできないので,「ジャガー」という言葉が動物なのか車なのか見分けられない。だがユーザーのウェブサイト閲覧と人口統計情報から,ユーザーのニーズにあった検索結果を出す次世代検索技術開発が進んでいる。

 グーグルが検索エンジンのトップに立った理由は簡単だった。人の手によるリンクを信じ,たくさんの人がみている良質なページからリンクされているリンク先を,重要度が高いとした。ページの作り手がページに書き込んだ情報を無造作に集めてきて,それをただ提供するのではなく,リンクの関係から検索結果を提供した。ただ,それだけだった。でもそれでは,大多数の人には満足いく検索結果となるが,一部の人にはなかなか目的の検索結果をしめせない。「エルメス」で検索した多くの人はファッションブランドのエルメスに関する情報が表示されればよいが,ファッションなんてどぉでもいい,アニメ命の人には「キノの旅」に出てくるしゃべるバイク(違うな,モトラドか)のこと以外はいらない。それをきちんとしめせるのが,次の検索技術の一部らしい。

 ただそうなると,自分がどんな興味を持っているか,どんなものには全然興味がないかを検索エンジンに知ってもらう必要が出てくる。とは云うものの,スパイウェアみたいなまねをされるのも心底いやになる。渡す情報はきちんと確かめてから渡したい。そして,どこまで自分を渡せるかをきちんと把握したい。昨今個人情報が流出するような話が多いが,たとえ流出しても信用できる相手に渡してしまったのなら,「仕方ない」と思うしかない。だが,よくよく考えれば全然信用なんかできない団体や会社に個人情報を渡してしまったのだとしたら,それは渡したユーザーのミスであり,ユーザーは自分を責めてしかるべきだ。さて,ヤフーは信用できるか,グーグルは信用できるか,msnは信用できるか。ユーザーと検索エンジンの関係は,そういう度量が求められていく。




 
[2004.03.02]
  ひとつ目,の教訓


 ▼最新のスパム対策は最良にあらず(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/gillmor/TKY200402280150.html


 たとえば,スラッシュドットジャパンの記事とかね。

quote:アップル社がペプシと手を組んで,ソーダを買うとキャップの裏側にiTunesで再生するための曲が当たったかどうか(はずれの方が多い)書かれているという仕組みを取り入れた。だが,MacMerc.comの記事にキャップを開けずにキャップの裏側を読む方法が載り,広まった。これには,教訓が含まれている。デジタル時代では,どこかの誰かが知っていることは,それに興味のある人にはどこかで伝わる。わたしたちはそれに慣れる必要がある。

 あははははは。こんなんであたりがわかるのか,おもろいなぁペプシは,とMacMerc.comのページの写真は思わせる。そしてなによりかにより重要なのは,記事中にある教訓だ。この記事著者のダン・ギルモアは,わかっている。そして,世の中にはそれをわかっていない人が多すぎる。ネットワークに普通にふれていれば,すぐにわかることだ。昔は数千円の本でも買ってこないとわからなかったことが,ネット上ではすぐに手に入る。組織の内部で秘密にしときたいことも,すぐに拡散する。誰かが興味を持つことはほかのひとも興味を持っており,そしてその情報は必ずネット上のどこかにある。

 企業や団体が自分に都合の悪い情報を,法的な圧力で潰そうとするような話を昨今よく耳にする。だが,ひとつやふたつをうまく潰せたって,世間から興味を消せるわけがない。その悪い情報が間違いで,本当にその情報をなくそうと思うなら自ら腹を割って説明をし,それに沿った行動をきちんと続けていくしかない。それをみて,やっと世間は,あぁあの悪い情報は信じなくていいんだなと結論づけ,興味は消える。その興味とは,風説でも流出した個人情報などでも同じ。_情報は無限に拡散するものであるが,いたずらには広がらない_。ちょっとネットにふれていれば,すぐにわかることだ。




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